Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
「寺本さんで」
「ここの居候だよ、――この辺は強請が多いから、用心棒と言ってもいい。あまり結構な身分じゃないが、主人とは古くからの知合いで、仕事も仕官の口もなきゃ、当分来ていちゃどうだと言うから、人の門口に立って、下手な謡を謡うよりはと思って、二年越し世話になっているんだが――」
そんなことを、少し重い口調で話すのです。
「で、あっしに御用とおっしゃるのは?」
平次はこの浪人者の真意を測り兼ねました。
「俺はまさか、下手人だと名乗る気はない。――名乗っても構わないが、あいにく昨夜は山下の馴染の家で宵から飲んですっかり潰れてしまい、今朝陽が高くなってから戻ったような始末さ。ハッ、ハッハッ」
寺本山平は妙なところへ笑うのです。
「で?」
「銭形の親分ともあろうものが、こんなところに気が付かないはずもあるまいが、中庭の下駄の跡をもう一度よく調べてみちゃどうだろう。あれは大の男にしては、土の柔かいところを見ると恐ろしく浅い。それから、足跡の重なり具合で、内から出て、外から入ったに違いないが、恐ろしく内輪に歩いている。あんな歩きようをするのは女だ」
この浪人者は、柄に似気なく行届いた観察眼を持っております。