Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
二
銭形の親分さんにもお願いしてどうぞ兄さんを助けて下さい――とこういう頼みなんで」
「なんだ、そんなことなら早くそう言やいいのに」
「それに三輪の親分だが、――殺しが知れてから半刻(一時間)経たないうちに下手人を挙げたのは、自分ながら鮮やかな手際だったよ。銭形が聴いたらさぞ口惜しがるだろう――って言ったそうで」
「そんなことはどうでも構わない、出かけようか八。お静、羽織を出しな」
「有難い」
八五郎はすっかり有頂天になって、平次の先に立って犬っころのように雪道を飛びました。
二
山谷の東禅寺横、田圃と墓地を左右に見て、二三軒の寮と少しばかりのしもた屋が建っておりました。その中で一番洒落たのが佐野喜の寮で、左手は奉公人達が息抜きに来る別棟の粗末な離屋。裏には三四間離れて、植木屋の幸右衛門の家があり、南は田圃に開いた見晴らしで、平次が行った時は道だけは泥濘をこね返しておりましたが、田圃も庭も雪に埋もれて、南庇から雪消の雫がせわしく落ちている風情でした。
銭形が来るという前触れがあったものか、番頭の万次郎は心得て門口まで迎えます。
「御苦労様でございます。親分さん」