Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

仕方がないから行く先々を捜し廻って、按摩の笛の音をしるべに、ようやく捉まえたのは日が暮れそうになってから、――腹も減るわけじゃありませんか」

「無駄が多いなア、多の市は何と言った」

「何にも言やしません。あの家は年に二三度ずつお神さんを揉みに行ったきりで、主人を揉んだのは昨夜が始めてだそうで、お神さんは療治代の十二文の外に一文もくれたことがないが、主人はさすがに豪儀だ、黙って二百くれたということで――」

「それっきりか」

「ヘエ」

「佐野喜が按摩に二百文も出すのはどうかしていると思わないか、――俺が行ってみよう。多の市に逢ったら、何か変ったことがあるかも知れない」

「これから行くんですか、親分」

「まだ日が暮れたばかりだ。できることなら、勝の野郎を番所へ泊めたくねえ。お前は疲れているなら、ここで吉左右を待つがいい」

平次は手早く仕度をして立ち上がります。

「冗談でしょう、あっしが行かなかった日にゃ勝の野郎に済まねエ」

ガラッ八は熱い番茶をガブリとやると、口の中に火傷をしながらもう足駄を突っかけております。

按摩の多の市を捜すのは、全く容易の業ではありませんでした。