Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme
おぼろげな記憶が、平次の問いに誘導されて復活して来るのでした。
「もう一つ、この家に両刃のよく切れる刃物があったはずだが――」
平次の問いは予想外です。
「ありましたよ。旦那が大事にしていた、刃先五寸くらいな槍の穂が」
「どこにあったか知っているかい」
「その用箪笥の中ですよ。一番下の抽斗の奥で」
「これか」
死骸の横にあった、古いが細工の良い用箪笥を開けて見ましたが、上にも下にもそんなものはありません。
「変だなア、――昨日まで確かにあったんだが」
「お前は開けて見たのか」
「用事があってここへ入って来ると、旦那はあわててその抽斗の中に隠しましたよ」
「この布に包んであっただろう」
「…………」
鶴吉は黙ってうなずきました。平次はいつどこから持って来たか、二尺ばかりの鬱金の布の畳んだのを出して見せました。夥しく血が付いております。
「死骸の側に落ちていたのさ。手品を使って取出したわけじゃない」
ガラッ八の不思議そうな顔を見ると、平次は一向無技巧に種を明かしてくれます。
次に番頭の文六、これは別に訊ねることもありません。浅田屋の世帯が決して楽でなかったことと、外からは決して怨みを受けるはずのないことなどを確かめただけで、四人目に手代の幸吉のところへ行ってみました。