Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「親分、話はこれからですよ」

ガラッ八は乗出しました。低い鼻が少しばかり蠢きます。

二

「たいそう手数のかかる話じゃないか。早く筋をブチまけてしまいな」

平次は不承不承の顔をネジ向けました。

「狐の嫁入見物で、どの家も空っぽになったところへ、空巣狙いが入ったんで」

「なんだ、そんな事か」

「物持と思われる家は、大抵やられましたよ。もっとも動けない老人や病人が仕様事なしに留守番をしている家は助かりましたがね」

「たいそう手数のかかる空巣だが、よっぽど盗られたのか」

「盗られた家は七八軒。金は田舎のことだから、五両か十両でしょうが、品物は随分やられましたよ」

「三代前から伝わった紋付といったような品だろう」

「それから生物――」

「牛かい、馬かい」

「人間なんで」

「人間?」

「清水和助という町一番の大地主で、苗字まで名乗る家の掛り人、お夏という十八になる娘が盗まれましたよ」

「フーム」

「あっしが見たわけじゃありませんが、綺麗な娘だったそうですよ」

「それから」

「それっきりで、尾久の喜八も、――こいつはこちとらの手におえないから、銭形の親分にお願いするようにって」

「それで尾久から飛んで来たのか」