Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.230 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「それからどうした」

「ショボショボ雨の向う川岸へ出た提灯の数は、なんと今度は三倍の十八じゃありませんか。それが六つずつ三つになって、行儀よく千住の方へ練るから見物でさ」

「お前はそれを黙って見ていたのか」

「その辺に舟はなし、川へ飛込んだところで、親分が知ってなさる通り徳利でしょう。仕方がないから指をくわえて、喜八と二人であれよあれよ」

「間抜けだなアー、なんだって宵のうちから向う川岸に廻って、狐の嫁入を見極めなかったんだ」

「向う川岸の小台の方からは、提灯が一つも見えなかったというから不思議じゃありませんか。――小台の衆は、尾久の奴等は臆病だから、そんな物を見るんだろうと言うと、尾久の手合は口惜しがって、何を小台の寝呆け野郎――という騒ぎで、こいつはいつまで噛み合せても埒はあきませんよ。幸いあっしがこの眼で見たんだから、狐の嫁入が本当に通ることには間違いありません」

「話はちょいと面白いが、それっきりじゃ仕様がない。お狐にしちゃ手数がかかるから、いずれは誰かの悪戯だろう。提灯屋が喜ぶだけの事さ」

平次は軽く片付けて、もとの植木の方へ、注意が外れてしまいそうです。