Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.671 Zeichen · 252 Bildschirme
二
「飛んでもない、峰之助の娘は、丈夫で育って居れば、十七いや十八になる筈で、そんな年頃の娘は、私共には居りません」
「小女のお春というのは?」
「あれは十四になったばかりで、知合から預かった娘でございます」
「喜八郎とか言う掛り人は?」
「身許の確かなもので、父親の代から、二代も此家に奉公し、今では客分のような掛り人のような扱いをして居ります」
「下女のお竹は」
「これは三十女で、身許に間違いはございません」
「あとは?」
「倅夫婦と、小僧の宗之助だけで、倅夫婦は仲もよく、私を大事に孝行をしてくれます。小僧の宗之助は、十三という悪戯ざかりで、これは桂庵から参りましたが、悪気は無いが生意気で困ります」
「フ――ム」
平次は黙り込んでしまいました。二人の浪人者と勇太郎が死んでしまっては、頼りにする者も無い代り、主人峰右衛門の生命を狙う程の物騒な人間も居そうも無かったのです。
二
「こう見たところ、家の中には、私を狙うほどの者が居そうも無いのに、私は毎日、何んか変った手段で、脅かされて居るのでございます。白羽の箭が二階の戸袋に突っ立ってからは、毎日一つずつ、私は脅かされて居ります。