Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
三
それは紛れもなく昨夜投げ節の小三郎が忘れて行った「鎌、輪、ぬ」と染めた手拭に紛れもなかったのです。
「どれ」
平次はお槇の手から手拭を受取りました。切り立ての手拭ですが、いくらか皺になって、隅っこの方に、「小三郎」と墨で小さく書いてあるではありませんか。
三
お菊の死骸の首に捲きついていたのは、同じ「鎌、輪、ぬ」の模様ですが、それは死骸の首から外して、別に証拠の一つとして、町役人に預けてあるので、それが沓脱の下に紛れ込む筈もなく、此処で明かに不思議な柄の手拭が二本現われ、その一筋は間違いもなく昨夜小三郎が忘れて行ったものとなるわけです。
「今朝小三郎が来なかったのか」
「まだ薄暗い時間に――私が木戸を開けに出て、お菊の死骸を見付けて大騒をしている時、一寸顔を見せましたが――その辺をウロ/\して直ぐ帰ってしまいました」
そう聞くと、もし小三郎が昨夜此手拭を忘れて行かなければ、お菊殺しの疑いは、真っ直ぐに手拭の持主の小三郎に懸って行くことになるでしょう。
手拭を忘れて行ったばかりに小三郎は、此恐ろしい疑いから免れて、恐ろしく知恵の廻る下手人が、小三郎と同じ柄の手拭を買って来て、お菊を絞め殺したという結論に導かれるのです。