Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme
【第三回】
一
其処はもう呪われた佐渡屋の入口で、中では恐ろしい事件が展開して居たのです。
【第三回】
一
佐渡屋は無気味に鎮まり返って奉公人達は彼方此方に一と塊りになり、半分は眼顔で話して居りました。
一歩踏込んだ平次は、ハッとしたのも無理もありません。線香の匂いがプーンと、風に孕んで店口に流れるのです。
「あ、銭形の親分」
飛んで出たのは、石原の利助の子分達でした。由良松、喜三郎などという中でも良い顔です。
「矢張りいけなかったのか」
「内儀さんが、半刻ほど前に息を引取りましたよ、――親分はどうしてそれを?」
由良松に取っては、内儀が死んだことよりも、明神下の銭形平次が早くも嗅ぎつけて、此処へ現われたのが不思議でたまらなかったのです。
「お夏さんが駆けつけてくれて、此処まで引張り出されたよ」
「そのお夏は何処に居ます」
「俺と一緒に戻った筈だが」
「あの阿魔だ」
由良松と喜三郎は、飛出しそうにするのです。
「待ってくれ、お夏がどうしたというのだ」
平次は兎も角もそれを引留めて、話の筋を通させようとするのです。
「今朝の味噌汁に、馬が五、六匹殺せる程の石見銀山が入って居ましたよ。お勝手をしたのは下女のお六と、あのお夏の二人だが、お六は飯を炊いたり香の物を出したり、味噌汁は覗いてもみなかったそうで――」