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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.082 Zeichen · 257 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「還俗?」

「十手捕縄返上という文句が長過ぎて威勢が悪いから、あっしの思い付きですよ」

「呆れた野郎だ」

そう言いながらも平次は、この血染の寝巻を隠すことの出来ない、八五郎の正直さをよく知って居るのでした。

二

「外に変わったことは無いのか」

「庭がジメ/\して居るので、足跡は沢山ありますがね、あっしの跣足の外は、皆んな庭下駄の跡で、何んの証拠にもなりませんよ――足跡なんてものは、少ないに限りますね」

又こんな事を言う八五郎です。

「おや、あれは鳶頭じゃない、――ちょいと此処へ呼んで来てくれ、人に見られないように」

平次が指すと、八五郎は黙ってお勝手口へ飛んで行き、五十男の練達な感じのする鳶頭の藤次郎をつれて来ました。

「おや、銭形の親分さん、御苦労様で、佐渡屋さんも大変なことでしたね」

藤次郎はお店の袢纏を着て、新しい麻裏を履き、紺の匂いをプン/\させて居りました。お悔やみかた/″\手伝いに来たのでしょう。

「これで、花火見物の桟敷の落ちたのは、鳶頭の手落でもなんでもないと解ったわけだよ」

「ヘェ」

藤次郎は礼を言ったものか、どうか、返事に戸惑った姿です。

「少し訊き度いことがあるが――外でもない、佐渡屋を皆殺しにし度いほど怨んで居る者があるだろうか」