Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「オヤオヤ、まだ日が暮れたばかりじゃありませんか。それに、夕ご飯もまだ差上げませんし」
お豊は、「何てまあ罪のない」と云いたげに、涙の顔を少しほころばせた。
「でも、何だか疲れてしまったし、こうして監禁されていたのでは、床にでもは入る外に仕様がないじゃありませんか。お腹だって、ちっとも減りゃしない」
不二子さんは甘える様に云い捨てて、グングン寝室へは入って行った。(念の為に申し添えるが、この寝室には廊下へのドアはなく、外へ出るには、やっぱり居間の方の、唯一の出入口による外はないのだ)
パチンと、ベッドの枕元のほの暗い電燈が点ぜられた。見ていると不二子さんは、手早く長襦袢一枚になり、断髪に黒いレースのナイトキャップを冠って、ベッドにもぐり込んでしまった。
お豊は、この無邪気な仕草を、あっけに取られて、寧ろほほえましく眺めていたが、仕方がないので、そのまま元の椅子に掛けて、忠実に見張りの役を勤めた。
ところが、そうして十分二十分とたつ内に、妙なことが起って来た。あの忠実な頑固婆さんのお豊が、どうした訳か、無責任にも、コクリコクリと居眠りを始めたのだ。
アア、分った分った。