Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

僕が電話でいたずらをしていると思ったのです」

「そうでしょう。で、どうして偽物であることを確めたのです」

「僕は管理者に、厨子の底を調べてくれる様に頼みました。若しやそこに、ルパンの例の虚栄心たっぷりの署名がしてないかと思ったのですから」

「それで、その署名があったのですか」

「管理者は暫くすると電話口へ帰って来ましたが、まるで声が変っているのです。ブルブル震えて何を云っているのだか聞取れぬ程でした。『A・L』の署名があったのです。しかも御叮嚀に『川村雲山氏に代りてA・L』と日本語で刻み込んであったのです」

信じ難い奇怪事だ。併し、まさか法隆寺の管理者が嘘を云う筈はない。厨子の底部にそんな署名があったとすれば、最早や疑う余地はない。日本随一の国宝は、憎むべき異国の怪盗によって盗み去られてしまったのだ。

「つまりこういうことになるのです」明智が説明した。「川村雲山氏は天才的な彫刻家であった丈けに、狂的な美術愛好癖を持っていた。愛好の余りその美術品を所有したくなるのは、無理もないことです。併し、雲山氏の場合は、不幸にして、それが金銭ずくでは所有出来ない国宝中の国宝だったのです。