Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

検事のE氏がびっくりして聞返した。

明智はなぜかあたりを見廻し、囁き声になって答えた。

「金堂に安置してある、玉虫厨子です」

アア何ということだ。明智は気でも違ったのではないか。一同ギョッとした様に素人探偵を見つめたまま、云うべき言葉を知らぬ体に見えた。

「君、それは冗談ではないでしょうね。若し本当だとすると、実に容易ならん事件だが……それにしても、法隆寺では、この貴重な国宝がなくなっているのを、今まで気づかなかったのですか。小さなものではあるまいし、どうも少し変ですね」

検事は、信じ兼ねる様に云った。

「ところが、法隆寺の金堂には、別に異状はないのです。玉虫厨子はそこにちゃんとあるのです」

「ホホウ、すると君は……」

「そうです。偽物です。何ヶ月かの間、法隆寺には巧みに出来た偽の玉虫厨子が安置してあったのです」

「偽物? ああ云う古代美術の偽物を拵えるなんて、不可能です。信じ難いことです」

検事を初め一同、容易にこの突飛な報告を信じようとはしなかった。

「法隆寺事務所の管理者もそう云いました。あれが偽物だなんて、そんな馬鹿なことがあるものか。つまらないいたずらは止し給えってね。