Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
「手ぶらで? 車も呼ばないで? じゃ、荷物はどうしたんだ。大きなトランクがいくつもあった筈だが」
「それは部屋に残していらっしゃいました。アア、そうそうお云い置きがあるのです。エエと、間もなく波越さんとおっしゃる方がお出でなさるから、荷物はその方にお渡し申してくれって」
「エ、エ、何だって?」
当の波越氏は面喰って、思わず声を立てた。
「波越何んという方だ」支配人もせき込む。
「警視庁の方だっておっしゃいました」
「どうも変ですね。兎も角、そのトランクをお調べなすっては如何ですか」支配人が警部の顔を眺めた。
「見ましょう。ここをあけて下さい」
波越氏は、今にして明智の突然の病気の理由を悟ることが出来た。何というすばやい男だろう。こんな破目になることをちゃんと見抜いていたのだ。明智にはいつもこの手でやられるのだ。ボーイの合鍵でドアは開かれた。部屋に入って見ると、大きなトランクが三つ、これを見よと云わぬばかりに、入口のすぐ側に並べてあった。御叮嚀にも鍵穴にちゃんと鍵がさし込んである。
「開けて見たまえ」警部の命令で、刑事とボーイとが、次々とトランクの蓋を開いた。
「畜生め、又一杯食わせやがった」