Japanische Klassiker mit Furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme
闇の中の巨人
波越氏が乱暴な言葉で怒鳴った。
トランクの中には、赤ん坊程もある大きなキューピー人形が手を拡げて、両方の目玉を真中に寄せて、人を小馬鹿にして笑っていた。トランク三つとも、同じ人形だ。そして外には何一品入っていないのだ。警察を揶揄する為に態々企らんだお茶番としか考えられない。
白粉の化物みたいな大男、屋上庭園の仔細らしい旗信号、日比谷公園の追っ駈けっこ、そしてトランクの中には国宝どころか、畜生め、このキューピー人形だ。こんな甘手に乗ったかと思うと、波越警部は地だんだ踏んでも足らなかった。
スゴスゴホテルを引上げて、警視庁に帰って、それから退庁時間が来て、自宅に戻り、床につくまで、警部は殆ど口を利かなかった。警察官拝命以来、嘗てこれ程憂鬱を感じたことはなかった。
闇の中の巨人
波越氏は翌日登庁すると早速明智に電話をかけた。昨日の恨みを云うつもりであった。ところが明智は昨夜から帰らないとの返事だ。それから夕方までに、五六度も電話をかけて見たが、いつも留守だ。
何とも云えぬ焦燥の内に、又一日がたって、その翌日の夕方、やっと明智のありかが分った。しかも今度は彼の方から、警視庁へ長距離電話をかけて来たのだ。