Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lesen Sie 黄金仮面 (おうごんかめん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 143.357 Zeichen · 287 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう僕等はそいつを見ているんだよ。暗いから分らぬ丈けさ」

明智が変なことを云った。

「エ、見ているって。じゃこの辺にいるのかい」

「ウン、僕等は一歩一歩そいつに近づきつつあるのさ。もう少しだ」何だか薄気味の悪い話である。

やがて、道は雑木林を抜けて、ポッカリと丘の頂の広っぱへ出た。だが、暗さに少しも変りはない。無論人家も見えぬ。

「どうも分らないね。そいつは一体どこにいるんだね。僕の目には少しも見えぬが」警部は用心深く声を低めて再び尋ねた。

「見えないって? 見えぬことがあるものか。ホラ、君の目の前に立っているじゃないか」

それを聞くと警部はギョッとして、一歩あとにさがった。

「エ、どこに? どこに?」

「ホラ、星明りに透かして見たまえ。君の前にとてつもない巨人が立っているじゃないか」

云われて、ヒョイと見上げると、如何にも、如何にも、そこには美しい星空を背にして、小山の様な巨人が、二人の頭上にのしかかっていた。

「君はこの大仏のことを云っていたのかい」

波越氏はびっくりして尋ねた。丘の中央に奈良の大仏よりも大きいので有名な、O町名物のコンクリートの大仏様が安置してある。