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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

どこか暖い方へ出て、もとの商売をしよう! おかなは時々その相談を、壮太郎にも為てみるのであった。

旦那から少ばかりの手切をもらって、おかなが知合をたよって、着のみ着のままで千葉の方へ落ちて行くことになった頃には、壮太郎もすっかり零落れはてていた。月はもう十二月であった。山はどこを見ても真白で、町には毎日々々じめじめした霙が降ったり、雪が積ったりしていた。

東京の自宅の方へ、時々無心の手紙などを書いていた壮太郎が、何の手応もないのに気を腐らして、女から送って来た金を旅費にして、これもこの町を立って行ったのは、十二月の月ももう半過であった。旅客の姿の幾んど全く絶えてしまった停車場へ、独遺されることになったお島は、兄を送っていった。精米所の主人や、浜屋の内儀さんなどに、家賃や、時々の小遣などの借のたまっていた壮太郎のために、双方の談合で、その質に、お島の体があずけられる事になったのであった。

寒い冬空を、防寒具の用意すらなかった兄の壮太郎は、古い蝙蝠傘を一本もって、宛然兇状持か何ぞのような身すぼらしい風をして、そこから汽車に乗っていった。鳥打の廂から、落窪んだ目ばかりがぎろりと薄気味わるく光っていた。