Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
畑で桑など摘んでいると、彼はどんな遠いところで、忙しい用事に働いている時でも、彼女を見廻ることを忘れなかった。彼はその頃から、働くことが面白そうであった。叔父夫婦にも従順であった。お島は一層それが不快であった。
おとらが内々お島の婿にしようと企てているらしい或若い男の兄が、その頃おとらのところへ入浸っていた。青柳と云うその男は、その町の開業医として可也に顔が売れていたが、或私立学校を卒業したというその弟をも、お島はちょいちょい見かけて知っていた。
気爽で酒のお酌などの巧いおとらは、夫の留守などに訪ねてくる青柳を、よく奥へ通して銚子のお燗をしたりしているのを、お島は時々見かけた。一日かかって四十把の楮を漉くのは、普通一人前の極度の仕事であったが、おとらは働くとなると、それを八十把も漉くほどの働きものであった。そして人のいい夫を其方退けにして、傭い人を見張ったり、金の貸出方や取立方に抜目のない頭脳を働かしていたが、青柳の顔が見えると、どんな時でも彼女の様子がそわそわしずにはいなかった。
お島の目にも、愛相のいい青柳の人柄は好ましく思えた。彼は青柳から始終お島坊お島坊と呼びなずけられて来た。