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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうでしょう。西洋人は活溌でいいね」

日光へでも行くらしい、男女の外国人の綺麗な姿が、彼等の前を横って行ったとき、お島は男に別れる自分の寂しさを蹴散すように、そう云って、嘆美の声を放った。

「どうだね、一緒に行かないか」

浜屋は瀬戸物のような美しい皮膚に、この頃はいくらか日焦がして、目の色も鋭くなっていたが、お島が暫くでも夫婦ものの旅行と見られるのが嬉しいような、目眩いような気持のするほど、それは様子が好かった。

客車に乗ってからも、お島は窓の前に立って、元気よく話を交えていたが、そのうちに汽車がするする出て行った。

「そのうち景気が直ったら、一度温泉へでも来るさ」

浜屋は窓から顔を出して、どうかすると睫毛をぬらしているお島に、そんな事を言っていた。

お島はとぼとぼと構内を出て来たが、やっぱり後髪を引るるような未練が残っていた。

盆が来ると、お島は顧客先への配りものやら、方々への支払やらで気忙しいその日その日を送っていた。そして着いてから葉書をよこした浜屋のことも忘れがちでいたが、自分たちの不幸な夫婦であったことが、一層判って来たような気がした。お島は時々その事に思い耽っているのであったが、それを小野田に感づかれるのが、不安であった。