Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
「老爺はああいいますけれど、お上さんの気前を買って、私がお貸し申しましょう。だから入れられるだけ入れてみて下さい。倒されればそれまでです」
そしてその翌朝、彼は小僧と一緒に硝子を運びこんで、それを飾窓や入口のドアなどに切はめてくれた。
「お前さんは若いにしては感心だよ。そう云う風に出られると、誰だって贔屓にしないじゃいられないからね。また好いお得意をどっさり世話してあげますよ」
お島はそう言って、その硝子屋を還した。
看板を書くために、ペンキ屋が来たり、小野田が自転車で飛して、方々当ってみてあるいた羅紗のサンプルが持込まれたり、スタイルの画見本の額が、店に飾られたりした。
白い夏の女唐服に、水色のリボンの捲かれた深い麦稈帽子を冠って、お島が得意まわりをしはじめるようになったのは、それから大分たってからであった。
「どうです、似合いますか」などと、お島は姿見の前を離れて、その頃また来ることになった木村という職人や小野田の前に立った。コルセットで締つけられた、太い胴が息がつまるほど苦しかった。皮膚の汚点や何かを隠すために、こってり塗りたてた顔が、凄艶なような蒼味を帯びてみえた。