Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
「他の事なら、何でも為て御恩返しをしますけれど、これだけは私厭です」
父親は黙って煙管を啣えたまま俛いてしまったが、母親は憎さげにお島の顔を瞶めていた。
「島、お前よく考えてごらんよ。衆さんの前でそんな御挨拶をして、それで済むと思っているのかい。義理としても、そうは言わせておかないよ。真実に惘れたもんだね」
「どうしてまたそう作太郎を嫌ったものだろうねえ」おとらは前屈みになって、華車な銀煙管に煙草をつめながら一服喫すと、「だからね、それはそれとして、左に右私と一緒に一度還っておくれ。そんなに厭なものを、私だって無理にとは言いませんよ。出入の人達の口も煩いから、今日はまあ帰りましょう。ねえ。話は後でもできるから」と宥めるように言って、そろそろ煙管を仕舞いはじめた。
お島を頷かせるまでには、大分手間がとれたが、帰るとなると、お島は自分の関係が分明わかって来たようなこの家を出るのに、何の未練気もなかった。
「どうも済みません。色々御心配をかけました」お島はそう言って挨拶をしながら、おとらについて出た。
そして何時にかわらぬ威勢のいい調子で、気爽におとらと話を交えた。