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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

と、虫を殺してそれだけ言ってお叩頭をしたきりであったが、おとらが、さも自分が後悔してでもいるかのような取做方をするのを聞くと、急に厭気がさして、かっと目が晦むようであった。お島はこの家が遽に居心がわるくなって来たように思えた。取返しのつかぬ破滅に陥ちて来たようにも考えられた。

「あの時王子の御父さんは、家へ帰って来るとお島は隅田川へ流してしまったと云って御母さんに話したと云うことは、お前も忘れちゃいない筈だ」養父はねちねちした調子で、そんな事まで言出した。

お島はつんと顔を外向けたが、涙がほろほろと頬へ流れた。

「旧を忘れるくらいな人間なら、駄目のこった」

お島がいらいらして、そこを立かけようとすると、養父はまた言足した。

「それで王子の方では、皆さんどんな考だったか。よもやお前に理があるとは言うまいよ」

お島は俛いたまま黙っていたが、気がじりじりして来て、じっとしていられなかった。

おとらが汐を見て、用事を吩咐けて、そこを起してくれたので、お島は漸と父親の傍から離れることが出来た。そして八畳の納戸で着物を畳みつけたり、散かったそこいらを取片着けて、埃を掃出しているうちに、自分がひどく脅されていたような気がして来た。