Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
お島はこの頃漸く落着いて来た丸髷に、赤いのは、道具の大きい較強味のある顔に移りが悪いというので、オレンジがかった色の手絡をかけて、こってりと濃い白粉にいくらか荒性の皮膚を塗つぶして、首だけ出来あがったところで、何を着て行こうかと思惑っていた。
鶴さんは傍で、髷の型の大きすぎたり、化粧の野暮くさいのに、当惑そうな顔をしていたが、着物の柄も、鶴さんの気に入るような落着いたのは見当らなかった。
「かねのを少し出してごらん。お前に似合うのがあるかも知れない」
鶴さんはそう言って、押入の用箪笥のなかから、じゃらじゃら鍵を取出して、そこへ投出した。
「でも初めていくのに、そんな物を着てなぞ行かれるものですか」
「それもそうだな」と、鶴さんは淋しそうな顔をして笑っていた。
「それにおかねさんの思いに取着かれでもしちゃ大変だ」お島はそう言いながら、自分の箪笥のなかを引くら返していた。
「でもどんな意気なものがあるんだか拝見しましょうか」
「何のかのと言っちゃ、四谷のお袋が大分持っていったからね」鶴さんは心からそのお袋を好かぬらしく言った。
「あの慾張婆め、これも廃れた柄だ、あれも老人じみてるといっちゃ、かねの生きてるうちから、ぽつぽつ運んでいたものさ」