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Japanische Klassiker mit Furigana

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こじきものがたり

古事記物語

鈴木 三重吉

Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme

Aozora Bunko

こうお答えになるうちに、船はもはやちょうど川のまん中あたりへ来ました。すると皇子はいきなり、そこでどしんと船を傾けて、命をざんぶと川の中へ落としこんでおしまいになりました。

命はまもなく水の上へ浮き出て、顔だけ出して流され流されなさりながら、

ああわしは押し流される。

だれかすばやく船を出して、

助けに来てくれよ。

という意味をお歌いになりました。

するとそれといっしょに、さきに若郎子が隠しておおきになった兵士たちが、わあッと一度に、そちこちからかけだして来て、命を岸へ取りつかせないように、みんなで矢をつがえ構えて、追い流し追い流ししました。

ですから命はどうすることもおできにならないで、そのまま訶和羅前というところまで流れていらしって、とうとうそこでおぼれ死にに死んでおしまいになりました。

若郎子の兵士たちは、ぶくぶくと沈んだ命のお死がいを、かぎで探りあててひきあげました。

若郎子はそれをご覧になりながら、

「わしは伏せ勢の兵たちに、もう矢を射放させようか、もう射殺させようかと、いくども思い思いしたけれど、一つにはお父上のことを思いかえし、つぎには妹たちのことを思い出して、同じお一人のお父上の子、同じあの妹たちの兄でありながら、それをむざむざ殺すのはいたわしいので、とうとう矢一本射放すこともできないでしまった