Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こじきものがたり

古事記物語

鈴木 三重吉

Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme

Aozora Bunko

天皇はくわッとお怒りになり、まっ先に矢をぬいておつがえになりました。お供の者も残らず一度に矢をつがえました。そうすると、向こうでも負けていないで、みんなそろって矢をつがえました。天皇は、

「さあ、それでは名を名乗れ。お互いに名乗り合ったうえで矢を放とう」とお言い送りになりました。向こうからは、

「それではこちらの名まえもあかそう。私は悪いことにもただ一言、いいことにも一言だけお告げをくだす、葛城山の一言主神だ」とお答えがありました。天皇はそれをお聞きになると、びっくりなすって、

「これはこれはおそれおおい、大神がご神体をお現わしになったとは思いもかけなかった」とおっしゃって、大急ぎで太刀や弓矢をはじめ、お供の者一同の青ずりの着物をもすっかりおぬがせになり、それをみんな、伏し拝んで、大神へご献上になりました。

すると大神は手を打ってお喜びになり、その献上物をすっかりお受けいれになりました。それから天皇がご還幸になるときには、大神はわざわざ山をおりて、遠く長谷の山の口までお見送りになりました。

五

天皇はつぎにはまたあるとき、その長谷にあるももえつきという大きな、大けやきの木の下でお酒宴をお催しになりました。