Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こじきものがたり

古事記物語

鈴木 三重吉

Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme

Aozora Bunko

そうすると、そこへ塩椎神という神が出てまいりました。

「もしもし、あなたはどうしてそんなに泣いておいでになるのでございます」と聞いてくれました。弟さまは、

「私はおあにいさまのつり針を借りてりょうをして、その針を海の中へなくしてしまったのです。だから代わりの針をたくさんこしらえて、それをお返しすると、おあにいさまは、どうしてももとの針を返せとおっしゃってお聞きにならないのです」

こう言って、わけをお話しになりました。

塩椎神はそれを聞くと、たいそうお気の毒に思いまして、

「それでは私がちゃんとよくしてさしあげましょう」と言いながら、大急ぎで、水あかが少しもはいらないように、かたく編んだ、かごの小船をこしらえて、その中へ火遠理命をお乗せ申しました。

「それでは私が押し出しておあげ申しますから、そのままどんどん海のまんなかへ出ていらっしゃいまし。そしてしばらくお行きになりますと、向こうの波の間によい道がついておりますから、それについてどこもでも流れておいでになると、しまいにたくさんのむねが魚のうろこのように立ち並んだ、大きな大きなお宮へお着きになります。それは綿津見の神という海の神の御殿でございます。