Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
そしてとうとう悲しさに堪えきれないで、おんおんお泣きだしになりました。
その涙が天皇のお顔にかかって流れ落ちました。天皇はそれといっしょに、ひょいとお目ざめになって、
「おれは今きたいな夢を見た。沙本の村の方からにわかに大雨が降って来て、おれの顔にぬれかかった。それから、にしき色の小さなへびがおれの首へ巻きついた。いったいこんな夢はなんの兆であろう」と、皇后に向かっておたずねになりました。皇后はそうおっしゃられると、ぎくりとなすって、これはとても隠しきれないとお思いになったので、おあにいさまとお二人のおそれ多いたくらみをすっかり白状しておしまいになりました。
天皇はそれをお聞きになると、びっくりなすって、
「いやそれは危くばかな目を見るところであった」とおっしゃりながら、すぐに軍勢をお集めになって、沙本毘古を討ちとりにおつかわしになりました。
すると沙本毘古のほうでは、いねたばをぐるりと積みあげて、それでとりでをこしらえて、ちゃんと待ち受けておりました。天皇の軍勢はそれをめがけて撃ってかかりました。
皇后はそうなると、こんどはまたおあにいさまのことがおいたわしくおなりになって、じっとしておいでになることができなくなりました。