Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
Lesen Sie 古事記物語 (こじきものがたり) von 鈴木 三重吉 (すずきみえきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.723 Zeichen · 191 Bildschirme
それで味方の兵士の中で、いちばん力の強い、そしていちばんすばしっこい者をいく人かお選びになって、
「そちたちはあの皇子を受け取るときに、必ず母の后をもひきさらってかえれ。髪でも手でも、つかまりしだいに取りつかまえて、無理にもつれ出して来い」とお言いつけになりました。
しかし皇后のほうでも、天皇がきっとそんなお企をなさるに違いないと、ちゃんとお感づきになっていましたので、そのときの用意に、前もってお髪をすっかりおそり落としになって、そのお毛をそのままそっとお被りになり、それからお腕先のお玉飾りも、わざと、つなぎの緒を腐らして、お腕へ三重にお巻きつけになり、お召物もわざわざ酒で腐らしたのをおめしになって、それともなげに皇子を抱えて、とりでの外へお出ましになりました。
待ちかまえていた勇士たちは、そのお子さまをお受け取り申すといっしょに、皇后をも奪い取ろうとして、すばやく飛びかかってお髪をひっつかみますと、髪はたちまちすらりとぬげ落ちてしまいました。
「おや、しまった」と、こんどはお手をつかみますと、そのお手の玉飾りの緒もぷつりと切れたので、難なくお手をすり抜いてお逃げになりました。