Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「え、ここをどうするんだね」
「済みませんがね、船のオキテですからね、女の方が一人客の時には、その方に上座を張らして上げなくっちゃならねえんです、それというのは船は女ですからね、腹を上にして物を載せるから、女にかたどってあるんでござんさあ、だから船玉様も女の神様でござんさあ、女のお客がよけいお乗りなすった時は、そうもいかねえが、一人っきりの時は、その女のお客様を上座へ据えて船玉様のお側にいていただくんでさあ、船に乗った時だけは野郎の幅が利かねえんだから、ふしょうしておくんなせえな」
こう言われると年寄のお客、それは深川の炭問屋の主人だというのが納得して、
「なるほど、そういうわけでしたか。そういうわけならば、さあ、おかみさん、こちらへおいで下さい、若い衆さんもここへおいでなさいましよ」
快く席を譲ってくれました。その因由を聞いてみるとお角も、強いてそれを遠慮するような女ではありません。
「まあ、ほんとにお気の毒に存じます、では、船のえんぎでございますから、あとから参りまして、女のくせにお高いところで御免を蒙ります。庄さん、お前もそれでは御免を蒙ってここへ坐らせていただいたらいいでしょう」