Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
六枚折りの古色を帯びた金屏風が立てめぐらされたその外れから、夜具の裾が見えるところは、多分、尋ねる人はそこに眠っているのだろうと思われるのであります。
そこで、お角はまた遠慮をしいしい、畳を踏んで六枚折りの中を覗きました。なるほど、そこに夜具蒲団は敷かれてあり、枕もちゃんと置いてありましたけれど、主は藻脱けのからであります。
「おや、どこへお出かけになったのでしょう」
お角はいぶかしそうに四辺を見廻しました。それは朝起きたままで、床を敷きっぱなしにしておいたのではなく、どこかへ出かけて、帰りが遅くなる見込みから、こうして用心して出たものとしか思われません。
お銀様はいったい、どこへ出て行ったのだろう、それがお角には疑問でした。この人は決して外へは出ない人であった。自分が知れる限りにおいては、この土蔵の中を天地として、あの盲いたる不思議な剣術の先生に侍ずいて、一歩もこの土蔵から出ることを好まない人であった。それがこのごろは、こうして夜へかけてまで外出して帰るというのは、いったい何の目的があって、どこへ行くのだろうと、以前を知るお角はそれが不思議でなりません。