Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
ますから、芸人を呼ぶと思召さずに、哀れな盲を助けると思召してお聞き下さいまし、そうでないと、お腹も立ちましょうと思います」
弁信はこう言って、あらかじめ申しわけをすると、柳の蔭にいた女は笑いこけるように、
「滅多にこんな正直なお方にはぶっつからないのよ。お前さん、もうお帰りのようだが、ドチラへお帰りになるの」
「エエ、私でございますか、私はこれから本所へ帰るんでございますよ、本所の法恩寺の長屋に住んでいる、弁信というものでござんすからね」
「まあ、本所へ帰るの、それじゃ、わたしも少し早いけれど、一緒に帰りましょう」
ずっと前に、宇治山田の米友が、この通りで、同じような女の声で呼び留められたことを御存じの方もございましょう。
柳の蔭から出て来たのは、お蝶と言ったその時の女でございます。
お蝶は、決して醜い女ではありません。もう二十二三になるでしょうか、背がスラリとして色も白く、面に愛嬌があります。こんなところには珍らしいくらいの女で、明るい世間へ出しても、十人並みで通る女でありました。手拭を頭から被って出て来たお蝶は、弁信の傍へ寄って来て、
「わたしも、本所の鐘撞堂まで帰るんですから、送って上げましょうか」