Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
前に言う通り、この人の志気や抱負には敬服するけれど、それは時代のことや政治のことだけで、男女の問題にかけては、こんなふうに大ざっぱで、且つ低い観念しか持っていない人かと思えば、大切な問題を、こんな人に打明けたことを悔ゆるの心をさえ起しました。南条はやはり事もなげに言葉をついで、こう言いました、
「それがいけなければ斬ってしまえ、その女を斬ってしまうがよい、こう言えば無慈悲のようだけれども、それは男子らしい処分と言えないこともない、紀州の殿様で、世嗣の生みの母を手討にしてしまった人がある、生みの母というのは殿様のお手かけであった、腹の賤しい母を生かしておいては、他日国家の患がそこから起り易いとあって、罪もないのに手討にしてしまった。わが子の母をさえ、家門のためには斬ってしまった殿様がある、それを思えば君のひっかかっている女なんぞはなんでもない、一時の小さな情にひっかかっていると大事を誤ることがある、一殺多生というのはそれだ、その女一人を斬ってしまえば、駒井もひっかかりがなくなる、君も解脱ができる、その女も君に斬られたら往生ができることだろう。男子はそのくらいの勇気がなくてはならぬ、女々しい小慈小仁に捉われているようでは大事は成せぬ」