Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

蚊帳の外に立っているのは、女は女に違いないけれども、女の姿をした鬼であります。臆病な金助にはたしかにそう見えました。怖さ半分と、横着半分とで蒲団を被って応対をしていた金助は、ここに至って全くの恐怖に襲われて歯の根が合いません。

「吉原というのも、お前さん、そりゃ嘘だろう」

女は、いよいよすさまじい声。

「どう致しまして、嘘ではございません」

「嘘を言うのに違いない、そうしてあの人をどこへか隠したのは、あれは御別家の奥さんという人に頼まれて、お角さんが手引をして、わたしに知れないように隠してしまったのだということを、わたしは前から、ちゃんと知っている。お前さん、どこへあの人を隠したか、それを言って下さい」

「ト、ト、飛んでもないことで。あの人にも、この人にも、わっしが隠すなんて、お隠し申すなんて、そんなことはございません、ございますはずがございません」

「お前さん、もしお金が欲しいならいくらでも上げるから、あの人を隠したところを教えて下さい」

「いいえ、お金がどうしようと言うんではございません……まあ、何が何やら存じませんが、あなた様にお怨まれ申しても、わっしは損でございますから、ようく事のわけを申し上げてしまいます。