Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「どうしたんです、村田さん、あのままやっちまうつもりじゃないでしょうな」
「――そのほかにどうする」
「どうするって、だってあれだけの鉄炮を押えたのに」
「冗談じゃない」平四郎はにっと微笑した、「鉄炮の五十や百より、もっとすばらしい獲物があったじゃないか」
「へえ、……わかりませんね、なんです」
「あの女だよ」
主馬はまだ見当がつかないというふうに、首を傾げながら云った。
「あの女って、あれは築地の丸茂にいたやつでしょう、柳沢一派の秘密な寄り場になっていた……」
「それだけではないだろう、相当に多額な金をばら撒き、柳沢父子ともなにか話しあいをしている筈だ」
「――なるほど」
「――なるほどじゃない、その女が江戸をぬけ出して来たんですよ、さっき青山が云っていたような情勢のなかで、あのれんじゅうといっしょに、あれだけの荷駄を持って、しかも今のあの居直ったようすでは、再び江戸へ帰るつもりはないだろう」
「まあそうでしょうな」
「それならどこへゆくか、かれらと共に甲府城へ入るか、おそらくそうではないだろう、もちろん城と連絡はあるだろうが、どこかほかに自分の根拠をもっているんじゃないか」