Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「みどうの家は、百三十余年、武田家再興のために、代々、肝胆をくだいて来た、ここに集まった者もみな、そのことのために、すべてを耐え忍んで来た、みんなは、お祖母さまのとき、その機会があったのを、知っておいでだろう、お祖母さまの見込みがちがって、慶安の事は失敗した、こんどは二度めだというばかりでなく、お祖母さまのときとは、比べようもないほど、手を尽し、法を尽してきた、それはみんなも、この権之丞から、聞いたと思う」
こう云いながら、登世は、舞台のすぐ下にいる、部将すがたの男を、指さした。
「けれども不運なことに、七分どおりまできて、こんどもまた、挫折しようとしている、それは将軍綱吉が、この正月に死に、ついで、事を起こす中心とたのんでいた人が、失脚してしまった、幕府ではその人に関連して、登世の企てをも感づき、これをうち壊そうと、手配をしている、その手先は、もう、この甘利にまで及んでいるようだ、今こう云っているとき、この境内にも、幕府の手先が忍び入っているかもしれない、その暗がり、その杉の樹蔭、社殿のうしろに」
登世はいちいち手でさし示しながら、そこでさらに声を張った。