Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
こちらのほうへ、しだいに近づいて来る。半之助は自分のたちばに気づいた、追われる身であり、禁断の場所にいるということに。……彼はすばやく、元のところまで駆け戻った。(これが彼の命を救う結果になったのだが)そして、火を消して、崩れた岩の破片の山を、よじ登り、自分が転げ落ちた穴へと、身をひそめた。
洞窟いっぱいに、大きく反響しながら、声は意外に早く、こちらへやって来た。そして、明るい松火の光りが、眩しいほどの反射を、岩壁の表面に揺れたたせた。
「お姉さま、お姉さま、乙女のいうことをきいて、お願いよ」
「いいえ、いや、お帰り」
「お姉さま」
花世の声であった。走って追いついたものとみえ、声は喘ぎ、おののいていた。
「お姉さまも、わたくしたちも、なんにもしてはいないのですもの、よく話せばわかって貰えますわ、ねえ、どうかそんなことはなさらないで、お願いよ、どうか帰って頂戴」
「あなたお帰りなさい」姉の声はひきつっていた、「あなたや、お父さまは大丈夫です、そう重い咎めもないでしょう、だから帰って、あとの始末をして頂戴」
姉妹のやりとりを聞いていると、半之助が逃げたあと、あの社殿は、幕府から派遣された、捕方の群に包囲されたらしい。