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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、この姉や、姉と共に江戸から来た者たちは、逆に追われて、ちりぢりに逃げたもののようである。

「あたしの夢はやぶれた、なにもかも、いっぺんに崩れてしまった、みどう一族の守ってきた、再興の望みもこれで終りです、あたしはこの伏岩といっしょに死んで、死霊となって徳川の天下を呪い亡ぼしてやります」

「そんなことを仰しゃらないで、お姉さま」

二人はそこへ来ていた。

松火を持った、姉の袖に(姉妹はまだ羽衣の衣裳のままであった)縋りついて、花世のかきくどく姿が、半之助のついそこに、手の届くばかりのところに、見えていた。

「お父さまやわたくしが付いていますわ、いくらだって手の尽しようがありますわ、死ぬなんて仰しゃらないで、お願いよお姉さま、どうぞいちど帰って」

「いいえいや、いやです、放してお呉れ、さもないとあなたもいっしょに死んでよ」

「お姉さま」

「楔の岩を抜けば、この洞窟はいっぺんに崩れる、それでなにもかもきれいになるのよ、あなたは帰って、此処から先へついて来ると、あなたもいっしょに死んでよ」

「待って頂戴、待って」

姉は崩れた岩の山へ登って来た。彼女の持っている松火が、ぱちぱちとはぜ、その火粉が、半之助の躯にふりかかった。