Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
だが半之助にはそうでないことがわかる。主馬は自分の感じたこと、考えたことを、できるだけありのままに、云い表わそうとするのである。そして、ずいぶん持ってまわった表現をするが、よく聞いていると、まじめで、味わいのふかい意見が、少なくなかった。
父の三回忌の日から、つい四五日して、ちょうど非番の日であったが、十時ころに青山主馬が訪ねて来た。母親は酒の支度を命じてから、谷町へこのあいだの礼にでかけたので、主馬も袴をぬぎ、のんびりとくつろいで話した。
「この家ではちかごろ、すぐに酒を出すようだが、お父さんの代からの習慣かね」
「いやこのごろだよ、父は酒は嫌いではなかったけれど、特別な客でもない限り、酒を出すようなことはなかった」
「すると、安倍の好みか」
「それもあるが、そればかりでもないんだ」
半之助は苦笑した。
「はじめはね、母がおれを一家の主人にしたいという、あまやかした気持があったらしい、こんなふうに構えて、もっともらしく盃など持っていると、ちょっとたのもしくみえるらしいんだな、こっちも酒でも飲むほかに、気のまぎらしようがない状態だから、つい、便乗していたんだが、少しまえから、それとはべつの意味をもちはじめたんだ」