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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで、私は、何はさておき、娘の籍をこしらえておかねばならんと考えたのです。その時に、思いついたのが、お嬢さまのお宅のことなのです。私は、お宅の焼跡の近所で二三日もかかって色々ききただしてみたのですが、みんなが『深尾さんのご家族はみんな地震でなくなられた』というのです。許して下さい、悪いとは万々承知しながら、その時、私はお嬢さまの籍をそのまま、娘の籍にして届け出たのであります。

それから娘にはよく言いふくめてお嬢さまの名で東京のカフェへ奉公にやり、私は私で、別に籍をこしらえて名前をかえてこのホテルへすみこむことになったのでございます。そのうちに、娘には立派な婿ができまして、二年ほど前から東京で何不自由のないくらしをしていたのでございます。ところが、一昨日のことでした。深尾のお嬢さまがアメリカからお帰りになって、このホテルにとまっていらっしゃるという噂を私はきいたのです。私は、てっきり、おなくなりになったとばかり思いつめていたお嬢さまが、不意にアメリカからお帰りになって、しかもこのホテルにいらっしゃるときいて、身体中の血が干からびてしまうかと思われる程びっくりしてしまいました。