Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
とにかく娘とあって、相談をして善後策をたてねばならんと、こう思って、すぐ娘のところへ手紙を出したのです。……
娘は一時間ばかり前にここへ来てくれました。私がこのことを話すと、正直なあの娘は、すぐにこれからお嬢さまにお会いして、何もかも白状してこいとこう私に申すのです。そしてその足で警察へ自首して出るようにとすすめるのです。――私はそのとおりにいたすつもりでございます。ゆるして下さい。お嬢さま」
「貴方の娘さんに是非すぐにあわしてください。娘さんには何の罪もありませんのに、かわいそうに……」
みな子は老料理人の物語がおわると、両眼に一ぱい涙をためながらこう言った。すると老料理人は、
「その娘は、私にそう言ってしまうと、いきなり剃刀を咽喉へつきさしてしまったのでございます」
といいながらとうとうたまりかねて、涙をぽろぽろこぼして泣き出した。
「それから、娘の夫は、今日は一日留守居をして娘の帰りをまっているはずだから、すぐ電報をうってくれと死にぎわにあの娘は私に頼みました。娘はお嬢さまと夫とへの申しわけに死んだのです。それよりほかに申しわけのしようがないと我が娘ながら健気に申しておりました。