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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、博士は急に周章てて、そんな短気なことをしたって君の夫君の名誉は救われるわけではない。自分がうまくそこのところは説明するから、自分にまかしておいてくれと言うのです。わたしは、この卑怯な博士の言葉に怒りがこみあげてきて、唾をはきかけてやりたいくらいでしたが、そこが女の弱さです。子供がかわいいのです。罪の子であればあるほどなおさらかわいいのです。それに今となっても夫の名誉を傷つけない方法があれば、わたし自身はどんな苦痛でもしのばなければならないと決心したのです。それから博士はどう言いまるめたのか、あの胎教の新学説ですっかり夫を納得さしたらしいのです。夫は熱心なクリスチャンで新約の奇跡をそのまま信じている程の精神主義者なんですから、きっとあのもっともらしい精神遺伝説を信じたのでしょう。それとも、何もかも知っていながら、知らないふりをしているのかも知れませんけれど。そういうわけでわたしは子供の愛と夫の名誉とのために用もない命を今までながらえているんです。生きていることだけでじゅうぶん罪のむくいは受けているんですから、どうぞ、このことは新聞にだけは出さないで下さい。