Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
と云って鍵を次の間へ投げて遣った、けれどお浦は返事をせぬ、秀子は非常に当惑の様子で「本統に仕ようがない事ネエ、此のままで丸部さんをお置き申せば益々血が出て何の様な事に成るも知れず、早く寝台へでもお移し申して充分の手当をせねば、と申して私の力では貴方を抱き上げて行く事も出来ませず」とて、途方に呉れて四辺を見廻した上「では私が行って誰かを呼んで来ましょう」と云い、其の辺の卓子に掛って居た獣の皮を取って巻き、それを枕として余の身体を穏やかな位置に直し、爾して自分で立って行ったが、其の巧者な塩梅は専門の看護婦にも劣らぬ程だ。
余の居直った所から次の室の出口は一直線に見える、余は秀子が何うするかと見て居ると、今投げた鍵を拾い上げて、室の中を見廻し「先ア浦子さんも余り子供らしいでは有りませんか、此の様な場合に何所かへ隠れてお了い成さってサ」と云い捨て、其の鍵で戸を開けて出て行った、余は其の後で何もお浦に来て貰い度くはないけれど、或いは介抱に来るかと思い、絶えず次の室を見て居たけれど遂に遣って来ぬ、去ればとて秀子が開け放して行った出口から出で去る