Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
秀子「シタガ其の衣嚢は何うしました、中に確かに私の品が有りますから、縦しや夫人の秘密にもせよ私は其の衣嚢を検めて誰にも咎められる事はないと思います、エ、其の衣嚢は何所に在ります」と余ほど決心した様子である、余「其の衣嚢は最う此の家には有りません」秀子「エ、此の家にない――」余「ハイ私が夫人の頼みに応じ直ぐに小包郵便で送り出しました」秀子は今迄そう端下なく顔色など変りはせぬのに、此の時ばかりは顔色を変えて「夫は大変な事を成されました、爾して送った先は若しや蜘蛛屋では有りませんか」蜘蛛屋とは聞いた事もない名前ゆえ、余「エ、蜘蛛屋とは」秀子「ペイトン市在の」余「爾です。ペイトン市在の養蟲園と宛名を書きました」秀子「其の養蟲園と云うのが蜘蛛屋です、貴方は先ア大変な事を成されました、アノ手帳が蜘蛛屋の手へ這入っては」余「イヤ夫ほど大変なら私が其の蜘蛛屋へ行って――爾々主人の名を穴川甚蔵と書いた事も覚えて居ますから其の穴川に逢うて取り返して参ります」秀子「飛んでもない事を仰有る、アノ家へ入らっしゃれば毒蜘蛛に喰い殺されます、蜘蛛の糸に巻かれ身動きも出来ぬ