Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
と答えようとしたが、此の時忽ち「三十位」の一語を思い出し、少し躊躇して、「能く見た上でなければ誰とも答える事が出来ません」と少し捻くった答をした、幾等熟く見たとて何の甲斐もないには極って居るけれど「お浦の死骸だ」と答えるのは殆ど「秀子が殺しました」と答えると同じ様に検査官や陪審員に聞こえはせぬかと思い如何にも心苦しい、一寸でも其の答えを伸したい、検査官は尤と云う風で「では篤と見るが好い」と云われた、余「何れほど検めても差し支えは有りませんか」と問い「ない」との返事を得た上で余はお浦の死骸を、手から足から、充分に調べたが、読者よ、余は実に此の暗澹たる事件をして更に一入不思議ならしむる最も異様な事を発見した、読者は是からして余が検査官に答える言葉を真実心の底から発する者とは思い得ぬかも知れぬ、けれど全くの真実で有る、余は思うままを知るままを答えるのである、余が再び検査官に向って、第一に答えた言葉は「此の死骸は誰のであるか少しも認めが附きません」と云うに在った、検査官は疑いを帯びた様子で「是までの証人等は其の方の前の許婚浦原浦子の死骸だと認めて居るが其の方は爾は思わぬか」