Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
と云う所を見ると、纔に五分か十分で事が分ったと見え、二人の間は余ほど深く合点し合って居るのだなと、斯う思うと余り権田の早く帰ったのが又忌々しい、余「では権田は虎井夫人の室へでも行ったのですか」秀子「イイエ此の家を立ち去ったのです」余「叔父さんにも会わずに」秀子「ハイ誰にも会わずに」
彼の急いで去ったのは愈々秘密が切迫して居る為と見る外はない、余の運動も、少しも早くなくては可けぬと、余は咄嗟の間に思案を定めて、我が思う丈の事を秀子に述べた、秀子は一時「其の様なお話を聞いて居れる時では有りません」と云って、腹を立てて、余に出て行って呉れと云わん許りの様を示したが、併し余の今までの忠実と親切とは充分腹に浸みて居るに違いない、此の後とても余の親切は多少嘉納するに足ると思って居るらしい、腹を立ったも少しの間で再び余の言葉に耳を貸す事に成ったが、愈々論じ詰めた結果が、何時も云う「到底人の妻に成れぬ身です」との一語に帰した、それならそれで宜しいから「若しも人の妻になる事の出来る時が来たなら私の妻になりますか」と云うと「其の様な時は決して来ません」