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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうれいとう

幽霊塔

黒岩 涙香

Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme

Aozora Bunko

車室を照らす電燈の光に余は初めて能く彼の姿を見たが、年は五十位でもあろうか、背が低くて丸々と肥え太って居る。顔の色は紅を差した様に真赤だ、蓋し酒に焼けたのであろう、酒好きの人には得てある色だ、爾して顔の趣きは、恐ろしげと云い度いが実に恐ろしげでなく存外柔和だ、ニコニコとして子供でも懐き相な所がある、誰やらの著書に、悪相を備えたる人は一見して人に疑わる、故に真の悪人たる能わず、真の悪人には人を油断せしむる如き愛らしき所のある者なりとの、意味を記してあるのを見たが、此の男などが或いは其の一例では有るまいか、併し能く見ると眼の底に一種の凄い光を隠しては居る、是は博奕などに耽る人に能くある目附きだよ、何うしても尋常の人間ではない。

余は余り彼の様子を見るも宜くないから、唯夫となく一通り見た儘で、彼の反対の側に身を安置し、背後へ寄り掛って眠そうな風を示して居た、茲で読者に断って置くが、昨年の秋ローストンの附近で、線路の故障の為に汽車が転覆した事は、読者が新聞紙で読んだ所であろう、此の汽車が即ち其の汽車で、余も乗り合わして居る一人であったが、勿論其の場に着き其の事変に逢うまでは神ならぬ