Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
程ではあったけれど、汽車の転覆と気の附いた時は早や毀れ毀れの材木の間に立ち上って居た、唯気の毒なは安煙草である、悪人は斯る場合にも自然の憎しみを受けて、人より余計に甚い目に遭うと言う訳ではあるまいが、覆った車室の台板に圧し附けられ、最ど赤い顔の猶一層赤くなったのを板の下から出して、額の筋をも痛みに膨らませて、爾して気絶して居ると言う仲々御念の入った有様だ。
此奴死んで了ったのか知らん、兎も角斯の様な目に遭えば当分秀子を虐めに来る事は出来ぬと有体に云えば余は聊か嬉しかった、けれど助けぬ訳には行かぬ、茲で恩を着せて置けば後々此奴を取り挫ぐに何の様な便宜を得るかも知れぬと得手勝手な慈悲心を起して台板を持ち挙げて遣った、軽い物かと思ったら仲々重い、力自慢の余の腕にさえヤットである、此の重みに圧れては身体は寸断寸断であろうと思ったが、爾ほどでもなく、拾い集めずとも身体だけ纒って居る、扶けつつ起して見ると肩も腰も骨が挫けて居る様子で少しの感覚もない。水でも呑ませば生き返るかと、四辺を見ると誰のか知らんが、酒を入れる旅行持の革袋が飛び散って居る、是屈強と取り上げて口を開けるとブランデー酒の匂いがあるから、之を彼の口に注ぎ込んだが、死んだ