Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
絵姿である、寝台は先刻煖炉を焚いた室の方へ足を向ける方向に据って居たから絵姿の背後は廊下に違いない。爾して絵姿の眼から内を窺く眼が、丁度絵姿の目の様に見えた所から察すると、之を貼り附けて有るのは壁ではなく、板であろう、板ならば叩き破られぬ事はないと、先ず試みに叩いて見た。思ったよりも薄い様な音だ、余の力ならば一破りだ。
余は先ず小刀を以って抉って見たが、大して骨も折れずに其の刃が突串った。板の厚さは僅かに四分位である、是ならばと所々に穴を開け、頓て全身に力を籠めて、推しつ叩きつした。初めてから三十分と経ぬうちに其の板を推し破った。此の様な事なら、早く気が附けば好かったのに、併し夫は今思うても帰らぬ事、兎に角室を脱け出すは勝利の第一歩だから、何の様な所かと又も燐燧の二本のうち一本を擦って見ると思った通り廊下であるが、此の廊下はダラダラと雪崩の様に向うの方へ傾いて居る。偖は穴倉へでも通じて居るのかそれとも下の室へ出られるのかと、下へ下へと降りて行くと突き当たる所に又戸がある。アア是で分った、絵姿の所の板が薄かったのも、全くはアノ板を破ったとて茲に此の様な戸が有って到底外へ出られぬ