Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
叔父は目を覚まして居る。「オオ、道九郎か、今女中に呼びに遣ったが」余「ハイ叔父さん、御気分は何うですか」叔父「一眠りした為か大層宜く成った。此の向きなら四五日も経てば平生に復るだろう」成るほど大分宜さ相だ。真逆に探偵の云った様な三日や四日の中に検屍が有り相には思われぬ。余は聊か力を得て「若し叔父さんの御用がなくば、私は止むを得ぬ用事の為大急ぎで巴里へ行って来たいと思いますが」叔父は目を張り開いて余の顔を見「又旅行か」と殆ど嘆息の様に云うは余ほど余の不在を心細く思うと見える。余「ハイ行き度くは有りませんが止むを得ぬ用事です」叔父「其の方が居なくては定めし秀子は困るだろう」秀子の事を斯うまでに云うは、猶だ秀子を見限っても居ぬと見える、余は其の心中を確かめる様に「ハイ何だか秀子が様々の疑いを受けて居る様に聞きますが」叔父「ナニ秀子は己に毒などを侑める者か、外の事は兎も角も、其の様な事をする女ではない」叔父が疑って居ぬのは何よりの強みで有る。併し「外の事は兎も角も」の一句で見れば、外に何か秀子の身に疑う所が有って、今まで程に信任しては居ぬらしい、何うか余は秀子の為に警察の疑いを解くのみならず、叔父の信任をも回復する