Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
Lesen Sie 幽霊塔 (ゆうれいとう) von 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 266.479 Zeichen · 532 Bildschirme
可き間際まで漕ぎ附けたのに、却って悪人や悪き事情などの為に妨げられ、到頭密旨の届かぬ者と断念し、其の絶望の余りに、遂に還らぬ冥界へ身を投げたとは、真に千古の恨事と云う者、此の様な哀れが又有ろうか、思えば思うだけ、察すれば察するだけ、余は益々秀子の傷わしさが身に徹え何が何でも此の儘に捨て置く訳には行かぬ、余自らも塔の底へ降って見よう、出る事が出来ずして秀子と共に死ねば死ねだ。
今から思えば実に乱暴な決心ではある、併し此の時は乱暴とは思わぬ、秀子の後を追い塔の底へ降る外には、広い世界に余に行き所はない様な気に成って了った、降って行って、間に合うやら合わぬやら、其の様な事は夢中である、既に秀子の死んだ後で、余は其の死骸の傍へ着き、呼び活かする事も出来ず、余自ら死ぬるにも死ぬる道なく、生きて塔の外へ返るにも返る道のない、如何とも仕難い場合に立ち到りはせぬかなどとは露ほども心に浮かばぬ、唯一心に塔の底、塔の底と叫びつつ、上の時計室へ登って行った。
時計室へ登って、何うして塔の底へ降る事が出来る、昔から塔の底にありと言い伝えらるる大なる秘密を探らんがため、降り行かんと企てた